生と死が一体のものであることは、もう知っていたね?
生だけで生命は成り立たず、死だけでも成り立たない。
生と死があって、生命ということ…
そのあいだを、生きるということ…
自殺なんかする者はいなかった。考えることもなかった!
ウマの合わん者どうしは、むろんケンカもした。だが「仕事」のために… というのも「生きる」「生き合う」のが一番の仕事だったから… そうしないと自分達が滅んでしまうことを知っていたから… たいしたことではなかった。
自分を殺すのは他の猛獣や天候の自然であって、人間どうしは殺し合ったりしなかった── 生きること、それだけだったんだ、人間の目的は。どうしたら生きていけるか?という。
それも自分だけが生きるのでない。誰一人欠けてはならない… どんな奴でも、一人でも欠けることは、自分達ヒト族にとってよろしくないことを知っていた。
ねたきりの老人には体験を教える知恵があり、不具者には腹を痛めて産んだ母の情愛があり、情を持つ者が持ち回りで彼らの世話をし、他人も身内も、まして自己も他者もない── 分け隔て・区別差別の意識の働かない共生作業、それが即ち彼ら人間一人一人にとっての生きるということだった。
そんな世界、ありえないって? 無意識でやっていた頃の話だ、脳の記憶外だろうね! でも身体は覚えてる…
今、意識を、どう働かせているね? つまらんことにばかりだ、他人の評価、見映え、ポジション、見た目… 学校の勉強にしてもそうだ… 身体が必要とするものでなく、脳、意識を働かせる勉強ばかりさせられる! 頭の良し悪しなんて、誰が決められるものか…
理性を働かせないと動物になる? ああ、すっかりスポイルされちまって! 今やその理性によって、ヒト族、滅ぼし合ってるじゃないか… こんな愚族はどこにもいないよ!
癌と同じだ、生きようとして身体を浸蝕し、モノにした時ゃ自身が滅ぶんだ…
理想の世界なんて無い? ああ、理想といえばすぐ未来へ想いを走らせる! 過去にすでにあったのに、それはもう過去だと見向きもしない、都合のいい現在過去未来に区分けして! たった二、三千年前の、その細胞に刻まれていることなのに。
社会に都合の良い人間をつくるのが公教育機関の役割だ… 落ちこぼれた者は特殊学級、B型作業所行きだ… とんでもない安月給! 障害者手帳! 脳に問題が!
《優秀》な人間がどんな《社会貢献》をしてるというのかね? 錬金術師がふるうふるい に人間は選別され!
意識が人間をつくるんだ… こないだ瞑想してたら、発見した… 呼吸は鼻から出入りしていた… いつもと変わりない… 右の胸骨が気になった… 少し後ろ向きに意識をやった… 胸骨、背骨の右側が前向きになっていると感じて… 正しい真っ直ぐな姿勢を心掛けた… そしたら呼吸の仕方が変わるのが見えた!!
いつも通りだ… 鼻から出入りする空気は。が! 出た空気が、ねじれるんだ、入る空気がねじれるんだ、真っ直ぐにならなかった…
直線に出た、鼻から出た空気が、右へ三日月型の放物線を描いて、吸う鼻へ戻ってくる! また出る空気は、左へ行く… 真っ直ぐに… 今度はぐるり、円を描く、大きくぐるりして鼻に戻ってくる! かと思えば、また出る空気は右へ一直線! さらに右へ右へぐるりして戻ってくる…
正しい姿勢、真っ直ぐな姿勢を意識した時から、ねじまがりが始まった… 意識が、「今ここ」になくなって、呼吸が、あっちこっちへ飛び散る!… 安楽だった瞑想が苦しい…
腹に力を入れ、複式呼吸だ… 思い出すね、妻の出産時に一緒にやってたヒッヒッ、フー、ラマーズ式呼吸法じみて… ああ、子どもが産まれる、大変な作業だ、すごい仕事だ、言葉にできない…
いくら意識を真っ直ぐにしようとしても、呼吸が真っ直ぐ出入りしない! どっちが正しいんだ、どうすりゃいいんだ… 正しくない姿勢で瞑想するのは後ろ髪を引かれる…
間違った仕方だ! 正すのは労力が要る… 苦しい… 呼吸、空気の出し入れが勝手に四方八方へ散らばる!
あきらめた、ああ、あきらめた。この勝手に散らばる呼吸、こいつをこのまま見つめよう… こいつを見つめ続けてやれ! 元に戻そうとせず、これが正しいはずだと信じようともせず…
錬金術も真っ青だ、こいつは金のために生まれたんじゃない、こいつは金のために生きるんじゃない、生きるために生きる、生きるために生まれてきたものだ…
金がなきゃ、生きて行けないって? ははん、そんな世なら、こっちから願い下げだね! こいつは平然とそんなことまで言い出した! たいしたやつだ! 誰にも知られず死んでった。知ったところで、どうということもない! 解ることしか解ろうとしない… そんなやつには永遠に解らないさ!… 解るというもんでもない…
生かし! 生かされ! 人類の区分けもなかった頃だって、殺し合いはあった… 打ち明ければ… ただ後に引かなかった! 憎しみに勤しむよりも、生きる方がはるかに重要だったから…
いがみ合うのは瞬時のこと、その時が過ぎりゃ何もなかったように一緒に生きたよ… やり返すなんて考えもつかず!
金で幸せなんて買えやしない、不幸もありゃしない、つくるのは意識だ、一人、人間の中にある意識だ…
生だけで生命は成り立たず、死だけでも成り立たない。
生と死があって、生命ということ…
そのあいだを、生きるということ…
自殺なんかする者はいなかった。考えることもなかった!
ウマの合わん者どうしは、むろんケンカもした。だが「仕事」のために… というのも「生きる」「生き合う」のが一番の仕事だったから… そうしないと自分達が滅んでしまうことを知っていたから… たいしたことではなかった。
自分を殺すのは他の猛獣や天候の自然であって、人間どうしは殺し合ったりしなかった── 生きること、それだけだったんだ、人間の目的は。どうしたら生きていけるか?という。
それも自分だけが生きるのでない。誰一人欠けてはならない… どんな奴でも、一人でも欠けることは、自分達ヒト族にとってよろしくないことを知っていた。
ねたきりの老人には体験を教える知恵があり、不具者には腹を痛めて産んだ母の情愛があり、情を持つ者が持ち回りで彼らの世話をし、他人も身内も、まして自己も他者もない── 分け隔て・区別差別の意識の働かない共生作業、それが即ち彼ら人間一人一人にとっての生きるということだった。
そんな世界、ありえないって? 無意識でやっていた頃の話だ、脳の記憶外だろうね! でも身体は覚えてる…
今、意識を、どう働かせているね? つまらんことにばかりだ、他人の評価、見映え、ポジション、見た目… 学校の勉強にしてもそうだ… 身体が必要とするものでなく、脳、意識を働かせる勉強ばかりさせられる! 頭の良し悪しなんて、誰が決められるものか…
理性を働かせないと動物になる? ああ、すっかりスポイルされちまって! 今やその理性によって、ヒト族、滅ぼし合ってるじゃないか… こんな愚族はどこにもいないよ!
癌と同じだ、生きようとして身体を浸蝕し、モノにした時ゃ自身が滅ぶんだ…
理想の世界なんて無い? ああ、理想といえばすぐ未来へ想いを走らせる! 過去にすでにあったのに、それはもう過去だと見向きもしない、都合のいい現在過去未来に区分けして! たった二、三千年前の、その細胞に刻まれていることなのに。
社会に都合の良い人間をつくるのが公教育機関の役割だ… 落ちこぼれた者は特殊学級、B型作業所行きだ… とんでもない安月給! 障害者手帳! 脳に問題が!
《優秀》な人間がどんな《社会貢献》をしてるというのかね? 錬金術師がふるう
意識が人間をつくるんだ… こないだ瞑想してたら、発見した… 呼吸は鼻から出入りしていた… いつもと変わりない… 右の胸骨が気になった… 少し後ろ向きに意識をやった… 胸骨、背骨の右側が前向きになっていると感じて… 正しい真っ直ぐな姿勢を心掛けた… そしたら呼吸の仕方が変わるのが見えた!!
いつも通りだ… 鼻から出入りする空気は。が! 出た空気が、ねじれるんだ、入る空気がねじれるんだ、真っ直ぐにならなかった…
直線に出た、鼻から出た空気が、右へ三日月型の放物線を描いて、吸う鼻へ戻ってくる! また出る空気は、左へ行く… 真っ直ぐに… 今度はぐるり、円を描く、大きくぐるりして鼻に戻ってくる! かと思えば、また出る空気は右へ一直線! さらに右へ右へぐるりして戻ってくる…
正しい姿勢、真っ直ぐな姿勢を意識した時から、ねじまがりが始まった… 意識が、「今ここ」になくなって、呼吸が、あっちこっちへ飛び散る!… 安楽だった瞑想が苦しい…
腹に力を入れ、複式呼吸だ… 思い出すね、妻の出産時に一緒にやってたヒッヒッ、フー、ラマーズ式呼吸法じみて… ああ、子どもが産まれる、大変な作業だ、すごい仕事だ、言葉にできない…
いくら意識を真っ直ぐにしようとしても、呼吸が真っ直ぐ出入りしない! どっちが正しいんだ、どうすりゃいいんだ… 正しくない姿勢で瞑想するのは後ろ髪を引かれる…
間違った仕方だ! 正すのは労力が要る… 苦しい… 呼吸、空気の出し入れが勝手に四方八方へ散らばる!
あきらめた、ああ、あきらめた。この勝手に散らばる呼吸、こいつをこのまま見つめよう… こいつを見つめ続けてやれ! 元に戻そうとせず、これが正しいはずだと信じようともせず…
錬金術も真っ青だ、こいつは金のために生まれたんじゃない、こいつは金のために生きるんじゃない、生きるために生きる、生きるために生まれてきたものだ…
金がなきゃ、生きて行けないって? ははん、そんな世なら、こっちから願い下げだね! こいつは平然とそんなことまで言い出した! たいしたやつだ! 誰にも知られず死んでった。知ったところで、どうということもない! 解ることしか解ろうとしない… そんなやつには永遠に解らないさ!… 解るというもんでもない…
生かし! 生かされ! 人類の区分けもなかった頃だって、殺し合いはあった… 打ち明ければ… ただ後に引かなかった! 憎しみに勤しむよりも、生きる方がはるかに重要だったから…
いがみ合うのは瞬時のこと、その時が過ぎりゃ何もなかったように一緒に生きたよ… やり返すなんて考えもつかず!
金で幸せなんて買えやしない、不幸もありゃしない、つくるのは意識だ、一人、人間の中にある意識だ…