創作と日常と

書いた「作品」らしきもの、また日常のこと、思うこと等々。

DVのこと

 また二泊、パートナーの実家… 二、三年前にマンション住まいになったから実家という実感もないが、そこに行ってきた。
 そこで今回気になったのは老いた義父母のことよりも、DVのこと── もちろん義父でなく、週に何日かやはり泊まり掛けで面倒をみてくれるヘルパーさんの旦那さんが、彼女に暴力を振るうということ、またやはりよくしてくれているお隣さんの奥さんも、その旦那さんからDVを受けているということ… こんな身近に、そんなことが行われていることを知ったことだった。私のツレアイから聞いたのだ。

 どうもお隣さんの場合、… とても近所づきあいも良く社交的な奥さんを、旦那さんは嫉妬している、という話だった。内向的な、内弁慶な方なのか、ほとんど引きこもっているから(もうご高齢であるそうだ)、顔も知らないが、とにかく乱暴な男だそうだ、とは義父から聞いた。
 ヘルパーさんの方は、理由は知らない。ただ暴力は振るわれ、週に何日かでも家から出られることで本人も助かっているとかいう話だったと思う。

 DVというのは、自分自身無縁と思っていた。父が暴力を振るっているのを見たことがないし、知人にそんなことをする人もいない。(と思う。)だが今回、ニュースでたまに見る程度だったDVというものが、突然身近になった。

 お隣の奥さんとは一度エレベーターの前で会ったきりで、ヘルパーさんとは一度も会っていない。
 それでも想像はできる。とても気さくそうな人だったし、ヘルパーさんも真面目でとても良い人だと聞いている。それが、帰る家ではそんな苦しい、大変な思いをされている。

 何ヵ月か前「ラジオ深夜便」で、どこかで聞いた声だなぁ、名前も知っている、という人が喋っていた。
 K市で、DVから女性を守る活動をされているEさんだった。ぼくが不登校の会をやっていた時、来て頂いた人だった。今、こんな活動をしているんだ、と思いながら聞いていた。しっかりした、確固たる意思、わかり易く、よく耳に入ってきた。

 ── ナイーブな、繊細なことだと思う。軽々しく、こんなところで自分が書ける、何もない。
 法的なこと… ぼくにはどう見たって暴力を振るう方が悪い、どんな理由があったとしても、だんじてダメなことである。法律は離婚させるべきだし、何より暴力から本人を守ること、守られるべきは現実に暴力を振るわれる人である。
 離婚は当人どうしのことで、旦那の方にも権利がある云々が法だとしてもだ。そんなことは二の次だ。
 たしかEさんもラジオでいろんなことを喋っていた。もっとよく聞いておくべきだった。

 ここでは、自分の思うことだけを書こう。
 DVの原因── たとえばアルコール依存症ギャンブル依存症〇×依存症がある、その原因、その、そうさせるものはアルコールやギャンブルそのものではない。
 アルコールに走らせるもの、ギャンブルに走らせるものが原因で、酒やパチンコには罪はないのだ。
 それとDVを同列にしていいのか… ぼくにはおなじにみえる… こんな言い方が乱暴になることも自覚するが、暴力を振るう、その原因が必ずある。
 暴力は、そのはけぐちでしかなく、暴力をしなくなったからって、問題が解決するとは思えない。
 振るわれなくなればいい。第一に! ただぼくは、きっと原因は、もんだいは、暴力そのものではない…

 社交的な奥さんへの嫉妬、うらみ、ねたみ。歳をとって思うように動かなくなった自身へのもどかしさ、悔しさ。まったく、原因、理由をさがせば日本50万5千組余りの夫婦のあいだで、どれほど暴力が振るわれることになることか!

 自分のような第三者が、いったい夫婦間のもんだいにどれだけ口を挟めるものか! こっちも感情的になって何とかしたいと思って何ができるものか…
 あなたたちの「縁」だけでない、こっちだって縁あってこうやって知り合ってんだ、と言ったところで?
 なんとかできないものかよ、きつい。