創作と日常と

書いた「作品」らしきもの、また日常のこと、思うこと等々。

晩餐

「ねぇ、死にたいの、あたし」
「じゃ、一緒に死のうか」
「そうね」
「それとも、生きようか」

「生きながら、死にたいわ。死にながら生きるのは、もうまっぴら」
「… 同じじゃない?」
「そう、同じなの。だから、どっちかにしたいのよ」

「生きるなら生きる。死ぬなら死ぬ、って?」
「そう」
「そのまんなかにいるのがイヤ?」
「うん」

「困ったね…」
「うん、困った」
「ご飯、食べようか。味噌汁もつくった」
「食べよう。ああ美味しい」

「うん、美味しいねえ」
「よかった、生きてて」

「うん、よかったよかった」
「ほんとうによかった…」