人はなぜ自殺するのか
自殺に関しては、9歳の頃から現在に至るまでの約30年間、思い続けてきたフシがある。 なぜ自分が自殺を考えたか。 小学生の時、ぼくは「登校拒否児」であった。まわりの子ども達が当然のように学校へ通う中、ぼくだけが学校に行けなかった。明確な理由はない…
前略 たとえば、今、死にたくないですか? あるいは、死の時が2分後に来たとして、どんな風情でその時までを過ごしますか。 私は、とりあえず笑っていたいです。きっと涙も溢れてくるでしょう。その涙は、何なのだろうと想像します。たぶん、悔い。悔いなん…
インドの宗教家、サンジャヤは「判断中止」の考え方を説いた。「この世に確かなものなど、ひとつもないのだから、何が嘘だとか真だとか、そんなことで思い悩むのはやめよう」とでもいうような、「判断中止」。 老荘やブッダは、思い悩む以前の「考えることを…
あなた いった 「死にたい」わたし いった 「わたしも、そう」ふたり どういう死に方がいいか 考えました飛び降り 飛び込み 手首 クスリ いつ どこででも わたしたちは 死なないでしょうなぜなら 一緒に考えている間とっても 一緒に生きている生きているって…
太宰は言った、「生きること── 見飽きた活動写真を見続ける勇気。」 これ以上、生きることについて言い表せる言葉を、私は他に知らない。 檀一雄によれば、太宰は「自分の劇を自分でつくった」人である。自殺するストーリーは、もう決まっていたかのようなの…
さて、友よ、死にたいって? よく言ってくれた。ありがとう。何も言われず、さっさと死なれては、堪ったものではない。といって、何が僕にできるのか、わかったものでもないが。 何もできないにしても、思うことはできる。たとえ友よ、きみが目の前にいなく…
「早く死にたい」と口癖のように言っていた人が、そう言わなくなってしまった。異変である。彼は、死が遠かったから、死にたいと言えたのだ。それが、死が近くなって、わざわざ言う必要もなくなってしまった。 まわりの人は、「死にたいなんて言わんと」と笑…
「髪の花」という小説で、56歳で新人賞をとった、小林美代子さん。だが、その2、3年後に「繭になった女」を書いて自殺してしまった。「髪の花」は、精神病院に入れられた小林さんご自身の体験をもとに書かれた小説。 物語は手紙の文体で、「お母さん」に向か…
(片手落ち) 生と死があって、初めて、生命、あるのに、どうして人は、生ばかりを尊び、死を厭うのだろう? まるで生きることだけが、生命そのものであるかのように、どうして見るのだろう? (その日まで) 私は、最期の時、なるべく穏やかに、静かな気持…
と言って、死んでいった、原口統三よ。 困るよ。 それでは、生きてるぼくら、みな、死ななきゃならないじゃないか。
黒と茶色の、手書きしたような縦の線、木目調の、わりとしっかりした表紙のノートに、遺書を書こうとして、実際に書いて、書いている途中でやめたのが、小学4年ぐらいの頃だった。「 I C I YO」と、よくわからないローマ字で、表紙をめくった最初のペー…
シルヴィア・プラスが好きである。 イギリスで生まれ、アメリカに育った彼女は、31歳で自殺した。「The Bell Jar」(さかさまになったコップ)という私小説と、多くの詩と、2人の子どもを残し、ある朝突然ガスオーブンに頭を突っ込んだという。「わたしの顔…
椎名麟三は、その著作「自殺未遂者訪問記」で、自殺に向けて実際に行動に移し、病院に担ぎ込まれた未遂者達へのインタビューを敢行した。完遂した者からは、話を聞くことができなかったからだ。 椎名さんは自殺というものに、単なる自殺という事象では済まさ…
デュルケームの古典「自殺論」の統計を見ると、自殺の原因で最も多いのが「精神異常」とされている。 しかし、異常とは、何だ、という話である。 私が自分を異常かなと感じるのは、自意識過剰な自分を意識する時で、その他には特に感じられない。しかし、こ…