創作と日常と

書いた「作品」らしきもの、また日常のこと、思うこと等々。

ピュロンとサンジャヤ

インドの宗教家、サンジャヤは「判断中止」の考え方を説いた。「この世に確かなものなど、ひとつもないのだから、何が嘘だとか真だとか、そんなことで思い悩むのはやめよう」とでもいうような、「判断中止」。 老荘やブッダは、思い悩む以前の「考えることを…

④ 恋愛について #3

── 心、か…。 ── うん、心だ。 この心は、記憶のかたまりでもある。 人間が今知っていること、「知識」なんか、ちっぽけなものだよ。 昨日話した有史以前の「一体」だった頃の記憶さえ、この心はおぼえている。ヘビやトカゲが好きな人間がいるだろう? 彼は…

③ 恋愛について #2

── 好きになる/嫌いになるがあるね? それこそ、自分の内から出てくるものではないか? ── ほう。 うん、好き、嫌い、あるよ。 ── でもきみはこう言うんだろう、 「ポテチや花や犬が好き、それもポテチや花や犬という外の対象があって、初めて好きと言える…

② 恋愛について #1

── やあ、来たよ。 ── うん。今日のテーマは恋愛だ。前話の、絶望と希望が自分の外にあり、自分はただそれに捉われているだけ、という心の動きが、恋愛の場合はどうなるのか。考えてみたいと思う。 「恋愛の最初の期間こそ、この上もなく美しいものである。…

戦争をおっぱじめる人間は自分はまるで死なないかのように生きてきた人間だ死について、死ぬということについてこれっぽちも、死について何も考えたこともないに等しいほど死を考えまいとしてフタをし続けてきた人間だ

わたしはこの身体… 形に、宿っているにすぎないよこいつはじきに壊れる。息は止まり 心臓も止まりわたしであるところのものは全て動きを止めるわたしは「わたしであったところのもの」となるわたしはここから脱け出てくわたしであったところから上へ上へと上…

その果てに

「なぜ生きるのがいいとされているのでしょう?」「悲しいからじゃないかな、その人が死ぬのが」 「勝手なものですね、自分だって死ぬのに」「自分にまだその可能性が少ないと思っているから、相手にそれを求めるんだ」 「生きろとか死ぬなとか、周りが言え…

波と回転

そこに時間が加わる そこ? 特にどこでもない 加わる? どこでもないから加わりようもない 時間? くり返し? どこに立って、それを見ているのか どこに立っているのか それを見るとき 何を見て どこにいて それを見ているのか それ? 言葉にすれば これ、あ…

宗教は戦争を引き起こす 信じるということは恐ろしいことだ 必要なのは、信じることじゃない 信じようとすることじゃない 信じられないこと 信じたくないものを 受け容れる勇気だ

それぞれの宇宙

彷徨ってるネ、幾度目か いつもか。 一定しないネ、してるけど 軌道を辿り その中で ぐるぐる回っているわけだ 外にはないネ、内にある 外にあって 内にない おんなじだったネ、宇宙 わかるものでも 知るものでもなく 言葉にすれば ただそうなるだけで 気持…

夏の終わりの1日

金曜日、仕事が終わって会社バスに乗る。 りんご農園を営んでいる人と、ふたり掛けの座席に座って喋っていたら、水曜あたりに一緒に飲んだ、「相反する人」が乗ってきて、「お疲れ様ッス」。 通路を挟んだ、ぼくとりんご農園の人が座る座席の、横のふたり掛…

クロベさん

役職であるのに、一般社員からも「クロベ」「クロベ」と呼び捨てにされ、「黒部さん、お気の毒に…」などと思っていたら、「クロベエ」というアダ名だった。 本名は、クロヤナギさんである。「クロベエ」と呼ばれている。 なんとなく頼りない人で、あちこちの…

ユーレイさん

特に怖いとか、思わない。 怖いのは、怖いと思う自分自身に問題が、原因があるだろうからだ。 しかしオーストラリアに暮らしていた友達によれば、「こっちのユーレイ、昼間から音たててやがるんですよ」 誰もいない部屋から、けっこうな音が聞こえてきたらし…

椎名さんの言葉から

「人間に死があるように、小説にも死がある。 さらに決定的に言えば、何かのためにどんなに懸命に書こうとも、それは釈迦の掌の上を走り回っている孫悟空のようなものなのだ。 結局は、無意味なのである。 しかし、ここで大切なのは、走り回っている孫悟空の…

関係

まことの敵は自己の内にあるのであって、外の他者にあるのではない。 それを全く顧みず、他へ攻撃を加える人間をぼくは軽蔑する。嘲笑なのだが、親しみを込めて、微笑んでやる。 すると相手はカン違いして、より一層の親しみを込めて、ぼくへ笑いかけてくる…

虚言の拠点

哲学、信念、などというと、たいそうに聞こえる。が、結局そういうものが必要なのだ。 政治には。そして民にも。 そういうものがないから、安直なカネに走る。愚鈍な人間関係、ハバツに入って安穏としようとする。 汚れた川にみんなで流されて、いざとなった…

戦争をしない

「戦争をしない」ということ。 これを法に定めたこと、なんと素晴らしいことか。 自分の場合、もし戦争になって殺されそうになっても、できればそのまま殺されたい。 人を殺す、それが戦時下にあって正当!なことであろうと、人を殺傷するくらいなら己が死ん…

奈良のこの頃

人出がすごい。 外国人観光客はもちろん、日本人もすごい数。 近鉄奈良駅のすぐそばに小さなアーケード街があるが、もう人混みで入る気がしない。 もう一つの商店街は、まだマシなのでそっちを歩く。「不謹慎だけど、コロナになって人が減ってホッとしてるの…

戦後

戦後は何年経っても戦後なのに、どうしてまた新たに戦争をおっぱじめるのかね。 原発にしても、どうしてこんなにいっぱい造らにゃいかんのかね。 権力、権力! 権力しか、動いていないんだよ。われらは、慣らされた家畜同然だ。 慣らされた意識すら無い。そ…

知足院

近所に、そんな名前の寺院がある。足るを知る。足りていることを知る。生きているだけで、十分であるということ。 どんな大金持ちや、この世で成功者とよばれる人よりも「足るを知る」者が真の賢者であり、生きるということをほんとにやれる、素晴らしい人の…

① 希望と絶望について

── それにしても、希望がないね ── うん、ない。 ないから、つくれるものだとも言えるが。 ── だとしたら、希望がないということは、希望があるということになるね ── 希望は、叶ったら、なくなってしまう。叶うまでのものでしかない。 ── なくすために希望…

もともとは政治上の言葉

ねぇ君、「民主主義」って言葉なんか、あるけれども、上からの命令待ちに馴らされた民が、そんなもの、かちとれると思うかい?

内含

死について何も考えられないのは、想像力がないからだよ。そういうやつが戦争を平気でする。 平気でひとを殺傷する…死について、何も考えていない人間が。何も、為政者に限ったことじゃない。

墓碑銘

池田晶子の「人間自身」によれば── 外国の墓地を散策中、墓に様々な言葉、故人の言葉が刻まれていた。 彼女はそれを見ながら歩を進めていると、ある墓にラテン語で「次はお前だ」とあるのを見たという。 「次はお前だ」。 これは凄い。死した者が、のちにこ…

「お前はもう自分のための人間であることは許されていない」

これはベートーベンの言葉。音楽は音楽家の人となりを表し、文章は作家の人となりを表す… ベートーベンの音楽を聴いていると、この考えを基盤に置いて、疾走滑走、創作していたように感じる。 この言葉、「子どもではなく大人」「社会的な人間」… そんな強い…

マハトマ・ガンディー

過日、NHK教育でガンディーについての番組があった。何回かに分けて放送されているらしい。その日は第4回目で、「禁欲の矛盾」というのがテーマであった。 どこかの大学の若い准教授が、ほんとにガンディーが好きらしく、ガンディーの行動や逸話について…

やさしさ

旅館で働く客室係の女性が、厨房でヤカンの熱湯を誤ってこぼしてしまい、悲鳴をあげてうずくまった。両足に、かなりの量の熱湯を被ったのだ。「誰か、水! 早く、水!」彼女は叫んだ。 それを見た皿洗いの男は、水を持って行くのではなく、そのヤカンを手に…

心は、反応しかしない

不思議なものだ。 何かに対してしか、心は反応しない。 その何かがなければ、心も無いかのようなのだ。 反応することによって、初めて心があり得るということ。 考えてみれば、思い悩んだり、希望に満ち満ちていたりする時、心は必ず何かの対象に向かってい…

うまれた理由

私の中で、ある結論は出ている。論といっても、全然論理的でない。結に至るまでの過程は省略されている。「なぜ?」と訊かれて、「~だから」が無く、「だ」なのだ。「なぜ人間が生まれて来たの?」という問いに、「平和な世界をつくるためだよ」と答えるだ…

現在、未来

でもほんとの話、このまま行けば徴兵制度も法律化されるだろうね、近未来に。 子どもの数は減り続けるだろうし、「国を守る」を大前提に、そうなるだろうよ。自衛隊員も少なくなっているらしいからね。 それにしても、かなり腹が立ったニュースを見たよ。自…