わたしは、誰かをほんとうに愛したことがない。だから誰かをほんとうに憎んだこともない。
わたしは、自分の中が賑やかだから、静かな人を好きになる。
わたしは、楽しいふりができないから、みんなといても楽しくない。
寝たふりができないから、ひとりでいても眠れない。
わたしは、ひとりで笑っている。
「何を笑っているんだい?」
「ひとりで笑っているのがおかしいから笑っているのよ」
わたしは、生きたいから死にたくなって、死にたいから生きたくなる。
笑っていると悲しくなって、悲しくなるから笑いたくなる。
みんな、わたしだ。